2012年1月7日土曜日

北朝鮮の小型船、1人は衰弱死か 食料、水なく…


島根県の隠岐島沖で漂流したとみられる小型の木造船が見つかった問題で、救助された3人の男性が第8管区海上保安本部(京都府舞鶴市)の事情聴取に対し「4人で北朝鮮の港を出港したが、1人は徐々に衰弱し、数日前に亡くなった」と説明していることが7日、わかった。小型船には食料や水はなく、同本部は1人が衰弱死した可能性が高いとみて、引き続き3人の聴取を続けている。
 同本部によると、木造船は長さ約7メートル。海保の巡視船や航空機が発見した際は、いかりを下ろした状態で停泊していた。
 3人は布を頭からかぶっていたが、海保の巡視船に気付くと顔をのぞかせて、手を振ったという。船内には、GPS(衛星利用測位システム)が搭載されており、空になった油と水のタンクがあった。
 同本部によると、3人は7日午前4時ごろ起床、かゆなどの朝食をすべて食べた。健康状態に問題はなく、この日朝食後に再開された聴取にも、素直に応じているという。3人のうち、最も年長者とみられる男性が「船長」と名乗っているという。
 3人を収容した巡視船は鳥取県美保湾に停泊を続けており、午前7時ごろから職員の派遣などのため海保のヘリコプターが発着陸を繰り返していた。海保などは今後、北朝鮮への移送方法を検討する。
 同県境港市の岸壁で釣りをしていた同市の会社員の男性(29)は、「昨日から港のあたりが騒がしいので、何事かと思っていた。早く静かになってほしい」と話していた。

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