2011年12月23日金曜日

福島第1原発3号機、水素爆発前日に運転員が冷却装置停止

東京電力は22日、福島第1原発3号機が水素爆発した前日の3月13日に、原子炉を冷却する「高圧注水系(HPCI)」と呼ばれる装置を運転員が停止させていたと発表した。
 稼働し続けていれば、3号機の水素爆発や燃料溶融を防げた可能性があるが、東電は「稼働を続ければHPCIが壊れ、炉内から放射性物質が噴き出ていた可能性があり、操作は問題なかった」としている。操作は吉田昌郎(まさお)所長(当時)に判断を仰ぐことなく、事後報告で済ませていた。
 東電によると、3号機では3月11日の津波後、もう一つの冷却システム「原子炉隔離時冷却系(RCIC)」で原子炉の冷却を続けたが、12日午前11時36分に停止。約1時間後にHPCIが自動起動したが、13日午前2時42分に、運転員が手動で停止したという。
 東電によると、HPCIのタービンの回転が遅くなって振動し、止めなければ壊れて原子炉から放射性物質が放出される懸念があったという。
 その後も別の方法で原子炉への注水を試みたが炉内の圧力が高く注水できなかった。HPCIも再稼働不能となり、14日午前11時すぎに水素爆発した。

2011年12月10日土曜日

“最も美しい韓国女優”キム・テヒ 「反日」真相直撃


23日スタートのフジテレビ系「僕とスターの99日」(日曜後9・0)で日本のドラマに初出演&初主演する韓国女優、キム・テヒ(31)が、このほど都内で取材に応じ、ネット上などで取りざたされる「反日」について初めて言及した。(サンケイスポーツ
 実は過去30回以上来日し、日本の小説や映画も大好きという彼女。「日本は好きな国です。この作品を通じて日韓の文化の橋渡しができれば」と願った。
 韓国で“最も美しい女優”と称されるキム・テヒ。その美貌はもちろん、まず流ちょうな日本語に驚かされた。こちらの日本語の質問はすべて理解し、回答もできる限り日本語で返す。
 「ははは。セリフのおかげで。去年(春)から日本語の勉強を始めたので」
 撮影では共演者とも日本語でコミュニケーションを取っているという。驚くほどの上達ぶりだ。
 ドラマは韓国女優(テヒ)と日本人男性(西島秀俊、40)の恋を描くラブコメディー。日本のドラマは初出演で、「日本語のセリフのイントネーションが難しい」と苦労しているが、「自分にとってはとっても良いチャンス」と笑顔を見せる。
日本には以前から関心があった。「やはり韓国からとても近い国ですし、何度も来ています。モデル時代の撮影でも、家族との温泉旅行でも。大学時代には交換留学生だった友人が住む千葉に私も1カ月ぐらい滞在していました。日本の料理も小説や映画も好きです」と告白。
 読むのは翻訳版だが、好きな作家を聞くと「田辺聖子さん、江國香織さん、辻仁成さん、村上春樹さん…。最近読んで面白かったのは奥田英朗さんの『ガール』」。映画は「大学時代に初めて劇場で見た映画が岩井俊二監督の『ラブレター』。あと、『世界の中心で、愛をさけぶ』や、『東京タワー』、『冷静と情熱のあいだ』も面白かった」と次々と作品が出るほどの精通ぶりだ。
 しかし、ネット上では“日本嫌い”とうわさされる彼女。「反日女優」などと書き込まれていますが?と“直球”をぶつけると、悲しそうにうつむき、こう言葉を続けた。
 「私は日本には30回以上来ていますし、親しい思いも感じていますし、だからこそ、こうして日本のドラマ出演も決心しました。もともと母国語の演技も難しいのに、それを外国語で演技をするのは非常に大変なこと。ただ、自分にとって日本の国や文化は、非常に好奇心の持てるものだし、親近感も好感も持っている。日本語もぜひ学びたいと関心を持っている。だからこそ、今ここにいるんです」。
 「日本は好きな国」とキッパリと答え、「今後も日本で活動したい」と続けた彼女。「文化的に本当に似た面もたくさんある両国ですから。力を合わせて優れた作品を作り出し、それを両国で楽しめたらステキだなと思います。私も今回の作品で、その一助が担えれば」と力強く宣言した。

2011年12月4日日曜日

東電による福島原発事故中間報告「想定外の津波が原因」


東京電力は2日、福島原子力発電所事故に関する中間報告書を公表した。会見冒頭では「リスク低減への対策が至らなかった」と謝罪したものの、発表内容は従来の「想定外の津波が事故の直接原因」を繰り返した。

津波対策については、土木学会から刊行された標準的な評価方法を基準とし、同会に審議も依頼してきた経緯を説明。「発電所の設備設計についても、法令に基づいた許可を得てきた」など、国と一体となり対策を行ってきたことを強調した。そのうえで、想定した範囲を上回る災害が起こり、事故の拡大を防止できなかったと結論づけた。「結果として」という言葉を連発した。

また、事故発生後の対応については「人為的ミスはなかった。復旧にあたった職員に状況調査をしたところ、過酷な状況のなかでできるかぎりのことは行ったと思う」という見解を示した。

会見は、東京電力の山崎雅男副社長(福島原発事故調査委員会委員長)を筆頭に、石田昌幸原子力品質監査部長、石川雅巳品質監査グループマネージャー、尾野昌之運営改善推進グループマネージャーの4人が対応した。東電側が委員会事務局も兼ねているとし、委員の同席がないまま、会見は3時間以上続いた。

「事故は仕方なかった」という印象がぬぐいきれない今回の報告書の内容について、山崎副社長は「技術、設備面などの事象にしぼり、目的に沿ってまとめた」とコメント。報告書の内容は調査事実が中心で、事実について十分な検証がされたとはいえない。「中間報告なので、さらに調査を進め、総合的な対策につなげたい」としている。

会見では、社外有識者を含む「原子力安全・品質保証会議 事故調査検証委員会」の意見書の一部を、石田部長が読み上げた。委員会は「直接の原因は未曾有の津波」としながらも、事故を拡大させたのは「アクシデントマネジメントを含むハード面、ソフト面での事前の安全対策が充分でなかったことによる」と、東電側の責任を追及する一方で、東電や国を含めた原子力関係者国が「安全神話を生み、そこから抜け出せなかったことが背景にあると思われる」と、記述している。

中間報告書など提供された資料は厚さ5cmに及ぶ。