2011年12月23日金曜日

福島第1原発3号機、水素爆発前日に運転員が冷却装置停止

東京電力は22日、福島第1原発3号機が水素爆発した前日の3月13日に、原子炉を冷却する「高圧注水系(HPCI)」と呼ばれる装置を運転員が停止させていたと発表した。
 稼働し続けていれば、3号機の水素爆発や燃料溶融を防げた可能性があるが、東電は「稼働を続ければHPCIが壊れ、炉内から放射性物質が噴き出ていた可能性があり、操作は問題なかった」としている。操作は吉田昌郎(まさお)所長(当時)に判断を仰ぐことなく、事後報告で済ませていた。
 東電によると、3号機では3月11日の津波後、もう一つの冷却システム「原子炉隔離時冷却系(RCIC)」で原子炉の冷却を続けたが、12日午前11時36分に停止。約1時間後にHPCIが自動起動したが、13日午前2時42分に、運転員が手動で停止したという。
 東電によると、HPCIのタービンの回転が遅くなって振動し、止めなければ壊れて原子炉から放射性物質が放出される懸念があったという。
 その後も別の方法で原子炉への注水を試みたが炉内の圧力が高く注水できなかった。HPCIも再稼働不能となり、14日午前11時すぎに水素爆発した。

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